「うちの子、全然リフティングが出来ないんですよ。サッカーに向いてないは、うちの子」
と言われたことがあります。ジュニア世代のサッカーチームの練習で、リフティングを重要視するチームが良くあると思います。数をこなすだけのリフティングが試合に生かされるシーンが存在しないのに練習で沢山する理由がそんなにあるとは思いません。実際、リフティングがほとんどできない選手でも国の代表選手になってる人も多くいます。なので、上記のような質問をされても、
「リフティングが全然できない代表選手だっているので、焦らなくていいんですよ。」
と、僕は伝えています。
リフティング
数ある名場面の中で、記憶に印象的なのが、鹿島アントラーズにいた、元ブラジル代表の10番レオナルドのリフティングからのシュートや、バルセロナ時代のロナウジーニョがリフティングで2,3人の相手をかわすシーンがありましたが、5,6回チョンチョンとリフティングしただけ。
また、ロナウジーニョが上手いからと言って、リフティングの世界記録を持っているかと言ったら、そうではない。
じゃあ、フリースタイルのチャンピオンがサッカーめちゃめちゃ上手いかと言ったら、国を背負うようなプレイヤーではない。
これが現実です。
しかし、あのようなボールフィーリングも試合で、役立つ時もあるのですが、どんな場面がそうかと言うと、
「バウンドしているボールを動きながら処理する」
のに必要になってくる技術なのです。
今回の練習
今回は、数をこなすリフティングに時間をかけて練習するよりかは、試合に役立つリフティングの練習の提案です。
1000回くらいすると、10分か15分くらいかかります。子供の集中力は、45分くらいしか持ちませんので、そこで、そんなに集中力を使ってしまうともったいない。ましてや、限られたチーム練習に数をこなすリフティングの練習よりかは、試合で使えるリフティングの練習をしたほうが理にかなっています。
ワンバウンドリフティングからの浮き球シュート
説明
ゴール脇からスタート。
ワンバウンドリフティングしながら、コーンを回り、シュート
ポイント
途中でミスしたり、他の人に当たったりしたら、スタートからやり直し。
スタートはいつしても良い。
成功したら、ワンバウンドリフティングに条件を付ける。
気付き、考えて、アイディアを生む
練習のアイディアを日ごろから記録しておこう
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「浮き球を処理=地面に押さえること」これが全てではありません。これをやってしまうと、ゴール前でイチイチ浮き球を押さえてからシュートを打つ、と言う2段階の動作を行わなければなりません。ゴール前はほぼ敵がいます。2段階の動作だと敵が寄せてきて、シュートすら打てない状況になってきます。
今回のようなワンバウンドリフティングからのシュートが上手くなると敵が寄せてくる前にシュートが打てます。練習から浮き球をシュートしていないと、試合では自信がなく、シュートを打つこともなく、そういう発想も出てきません。
以前は、この練習を1人づつしたり(シュートが、他の子に当たるので)外を通ってスタート位置に戻るようにとうるさく説明していましたが、そうなると、ただ単調なシュートしか打ちません。
皆がいつスタートしても良いと条件付けたら、コーンを回るのが速い子がシュートを打つ時は、遅い子はまだ、ゴール前付近をリフティングしているので、邪魔になってゴールが決めれない。賢い子や要領の良い子は、ループシュートをしたり、人に当たらないところにコントロールしたりと出来るようになりました。
また、ゴール前を通って戻る子も、シュートをぶつけられるのが嫌なので、勝手に自分たちで考え、外を通って戻るようになりました。
1人ずつやっていたら、ループの発想も浮かばない。真ん中にただ蹴りこむ練習になってしまっていたので、同時に行うことをお勧めします。
良いアイディアを生むためには、多少ごちゃごちゃしていたほうが良いし、試合中は、ゴール前は特にごちゃごちゃしていますからね。リアリティーを生むためには、こっちのほうが、絶対上手になります。
子供たちが色々考えれる環境設定をしてあげることが大切だと思います。
最終的に、試合では子供たちが自分の体を操縦するのです。考える能力がないとサッカーでは、使い物になりません。これは社会に出てからも同じですよね?
試合で活かせれる、「リフティング」と言う、技術の練習を今一度、みなさんも考えてみてはいかがでしょうか?
練習のアイディアを日ごろから記録しておこう
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